ポラライズ、ポラライズドレンジってなに?

ポーカーをやってるとポラライズという言葉を耳にすることがあると思います。
それ、ポラってるなー!とか言ってる人、なんか強そうに見えちゃいます。
この記事読んで、あなたもポラっちゃいましょう!
ポラライズを超ざっくり教えて!
持ってるハンドがめちゃ強いか弱いかのどちらかで、中くらいのハンドがない状態。
ポラライズドレンジは、レンジの種類の1つで、強いハンドと弱いハンドの混合です。
ベットやレイズというアクティブなアクションによって、ポラライズ化が進む。
ポラライズドレンジを持つ側は利益的。
ポラライズの説明
ポラライズという言葉について
英語では、polarizeと書きます。
ポーラライズの方がネイティブ読みに近いです。
両極化する、二分する、という動詞です。
ポーカーでは主にポラライズドレンジという言葉として使われます。
ポラライズドは、polarizedと書きます。
過去分詞形なので、両極化された、二分されたという意味です。
ポラライズドレンジ、polarized rangeは「両極化されたレンジ」という意味になります。
おさらい:レンジとは
そのプレイヤーが持ってる可能性があるハンドのことです。
例えば、プリフロップで、ボタンが最初に参加するレンジ。
AAもあるし、55もある。
72oとか、93sは持ってない。
ポーカーはAAが最強で、72oが最弱です。
基本的に、最初に参加するハンドレンジは、強い順で上位のハンドです。
わざわざ強いハンドを捨てて、弱いハンドで参加する必要はないですもんね!
ポラライズドレンジはレンジの一種
レンジは主に、リニアレンジ、コンデンスドレンジ、ポラライズドレンジがあります。
ポラライズドレンジはそのうちの一つです。
おさらい:レンジの種類
リニアレンジ(Linear Range)

上位から強い順に選んでるハンドレンジを、リニアレンジと言います。
リニアは線形という意味です。
最強ハンドから順番に、上位のハンドを選んでる、線形に選んでるってなんとなくイメージしていただければと…
リニア新幹線のリニアと同じ言葉です。リニアモーターって、ぐるぐる回転するモーターじゃなくて、線形的、直線的にまっすぐ進むモーターのことです。都営大江戸線とかも実はリニアモーターなんですよね(^▽^)/
コンデンスドレンジ(Condensed Range)

中くらいの強さに凝縮されたハンドレンジを、コンデンスドレンジと言います。
コンデンスとは、凝縮という意味です。
練乳の事をコンデンスミルクと呼びますが、まさに牛乳をギューっと凝縮されたようなイメージです🐄
レンジの種類別の特徴
リニアレンジ、コンデンスドレンジ、リニアレンジの大きな違いは、強さの分布です。持っているハンドの勝率を並べるとこういうグラフになります。
縦軸はハンドの勝率です。50なら勝率50%、100なら勝率100%です。上に行くほど強いです。
横軸は持っているハンドを強い順に並べたものです。一番左が弱くて、一番右が強いです。
例えば、AAK94というボードでは、AAのハンドはAのクアッズでナッツですので、勝率は100%で一番右になります。逆に32のハンドはどうやっても勝てなくて、相手が32の時に引き分けになるくらいなので、勝率はほぼ0%で一番左になります。

リニアレンジの特徴

リニアレンジは、強いハンドのみのレンジで構成されています。
弱いハンド、中くらいのハンドが無いので、コンボ数が少なく、すべてのハンドの勝率が高いです。
タイトなレンジで参加し、フロップ以降で、強いときだけバリューベットを打ち、弱かったり中くらいの強さだったときにチェックフォールドすると、このようなレンジになります。
相手がコールしてくれれば、ほぼ利益になりますが、相手に強いハンドしか持っていないこと(リニアレンジで構成されていること)がバレれば、簡単にフォールドされてしまいます。
また、強いハンドだけBETするということは、CHECKしたときは強くないので、相手に簡単にブラフされてしまいます。
コンデンスドレンジの特徴

コンデンスドレンジは、中くらいのハンドのみで構成されています。
相手が強いハンドのときは負けるけど、弱いブラフハンドのときは勝てるという、プレイが難しいハンドですね(;^ω^)
プリフロップで、オープンにコールし、フロップ以降でベットやレイズをせずにコールをすると、このようなレンジになります。
ポラライズドレンジの特徴

ポラライズドレンジは、弱いハンドと強いハンドで構成されています。
自分が強いハンドのとき
図の右側のように、ほぼ勝っているハンドなので、相手がコールすればその分が利益になります。
リニアレンジと違うのは、相手は「もしかしたらブラフかもしれない」と思うので、コールしてもらえる可能性がリニアレンジより断然高いということです。これ、めちゃ重要です。
自分が弱いハンドのとき
図の左側のように、ほぼ負けているハンドなので、相手がコールすればその分が損失になります。
ただ、強いハンドでもベットしていることから、相手が中くらいのハンドでもフォールドする場合があります。これをフォールドエクイティというのですが、自分より強いハンドを持っている相手をフォールドさせることは利益的です。
自分より強いハンドでコールされたときは負けますが、それによって自分が強いときにコールしてもらえるようになるので、問題ありません。
強いハンドと弱いハンドをどう混ぜるか?
ざっくりいうと、すべてコールされたときにプラスマイナスゼロになるように、ベット額とベット頻度を調整すれば、相手が全部コールしてもOK、相手がフォールドした分だけ利益になります。
ポラライズドレンジへの道
レンジはいきなりポラライズすることはありません。
なぜなら、最初にハンドを選ぶときに、強いものを捨てて、弱いものを選ぶ理由が無いからです。
じゃあ何で弱いハンドがレンジに入るのか?って言いますと、ポーカーのベットにはブラフがあるからです。
プレイヤーのレンジは、ベットやチェックのアクションによって変化します。
もちろんエスパーじゃないので、配られたハンドは変わらないです!
相手からみて、プレイヤーが持っている可能性があるハンドの集まりがレンジです。
例えば、チェックした場合
何にもヒットしていないか、中くらいのヒットをしている可能性が高い。
例えば、ベットした場合
トップヒットしているか、ドローなどでブラフしている可能性が高い。
ここでベットするか、チェックするか、ポーカーの超基本ルールをおさらい。
・強いハンドと弱いハンドはベット バリューベットとブラフベット
・中くらいのハンドはチェック
弱いハンドは、ショーダウンまで行ったときに負ける可能性が高いハンドのこと。
こんな感じでアクションがある都度、持っている可能性は変わる、つまりレンジが変化していきます。
チェックコール…中くらいのハンドなのでコンデンス化が進む
ベット…強いか、弱いハンドなのでポラライズ化が進む
※強いハンドだけでベットすると、リニア化が進みます
弱いハンド(ブラフベットするハンド)は何を選ぶ?
ここで、弱いハンドは全て打つかというと、そんなことはありませんw
今、ショーダウンしたら勝てないけど、強くなる可能性があるハンド…フラッシュドローやストレートドロー、ボトムヒットなどです。
さらに、相手が強いハンドを持ってる可能性が下がるハンドも含まれます。例えばですが、ハートのAを持っている場合、相手がハートフラッシュやフラッシュドローを持っている可能性が下がります。なぜなら、プリフロップレンジは、Axとスーテッドコネクタ、T以上のスーテッドが多く、Aを持っていると、相手のハートのスーテッドハンドが減るからです。これをブロッカーといいます。
ポラライズ化の例
ここでは、HJがオープンし、BBがコールしたシチュエーションでのレンジエクイティの変化を見てみましょう。
プリフロップ HJがリニアレンジで3BBレイズ、BBがコンデンスドレンジでコール


OOP(BB)のコールは黄色部分のみです。緑色の強いハンドは3BETしています。
フロップ(アクション前)のエクイティ
フロップ 4c,3h,3d
このときの、IP(HJ)とOOP(BB)のエクイティ(勝率)のグラフです。

IPの方が全体的にエクイティが高いですが、あまり差はないですね。
フロップ(ベット、コールアクション後)のエクイティ
フロップでは、OOP(BB)がチェック、IP(HJ)がベット、OOP(BB)がコールしたとします。
(OOPがチェックフォールドしたり、IPがチェックバックするレンジが消えます)

OOP(コンデンスドレンジ)が緑色の線、IP(ポラライズドレンジ)が赤色の線です。
OOP(コンデンスドレンジ)のアクションと変化
OOPはめちゃ強い3や4を持っているハンドの多くははドンクベットしたり、チェックレイズしていますが、少しだけチェックコールに回しています。(一番右のほぼ100%になっている緑色がめちゃ強いハンドです)
OOPの全然ヒットしなかったハンドは、チェックフォールドしました。
そのため、OOPの残りのハンドは、アクション前と比べて、中くらいの強さばかりになるコンデンスドレンジ化が進みました。
IP(ポラライズドレンジ)のアクションと変化
IPは3ヒット、4ヒット、ポケットをバリューベットとしてベットしました。
一方、Kハイ~9ハイをブラフベットとしてベットしました。
AKなどのハイもベットしますが、これは相手も何もヒットしていない場合は、ハイカードとして勝っているので、バリューベットでもブラフベットでもないベットです。(とはいえ、IPのAハイの方がキッカーが強く、エクイティは50~62%あります)まだ、フロップでアクション数が進んでいないので、完全にポラライズできていないので、こういうハンドも残ります。
こんな風に、ベット→コールのアクションがあると、片方はポラライズ化が進み、片方はコンデンス化が進みます。
ポラライズのまとめ
- ポラライズドレンジはレンジの一種
- ポラライズドレンジは強いハンドと弱いハンドに二極化されているハンドレンジ
- ブラフとバリューを混ぜて、ベットやレンジをすると、ポラライズ化が進む
- ポラライズドレンジを持っている側は、バリューベットでのコール、ブラフベットでのフォールドが期待されるため、利益的になる
ポラライズについてもっと詳しく勉強されたい場合は、ポーカーエリートの公然の秘密がおすすめです。
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