ハンドの特性を知ろう(ポケットペア編)
ポーカーのハンドにはいろいろな種類、特性があります。
ざっくりした分類はこんな感じです。
定義されているわけではないので、サイトや本によって分類は異なると思います。
特にポケットペアの分類は曖昧です。KKとQQに大きな強さの差はありますが、88と77に大きな差はないです。
- ポケットペア
- ハイポケットペア(AA~JJ)
- ミドルポケットペア(TT~88)
- ローポケットペア(77~22)
- オフスート
- ハイカードオフスート(AKoなど)
- オフスートコネクタ(JToなど)
- オフスートのクズ手(K7oなど)
- スーテッド
- ハイカードスーテッド(AKsなど)
- Axスーテッド(A5sなど)
- スーテッドコネクタ(87sなど)
- スーテッドワンギャッパー(86sなど)
- スーテッドツーギャッパー(85sなど)…ほぼクズ手です
- スーテッドのクズ手(92sなど)
今回はポケットペアの特性について勉強しましょう。
ポケットペア共通の特性
ワンペアが確定し、ヘッズアップ勝率は全てのドローハンドより高い
当たり前ですが、ポケットペアの時点で最低でもワンペアになるため、ハイカード(役無し)に勝っています。そのため、ヘッズアップであれば一部を除いて(※)、全てのドローハンドより勝率が高いです。
※22 vs AKsで、AKsのスートが22と異なる場合のみ、AKsの方が若干勝率が高いです。
例)2h2d vs AcKc では、49.5% vs 49.7% となり、AcKcの方が0.2%有利です。
例えば、22 vs AKo は 約52%の確率で22の勝ちです。
ですが、22は強くないです。下の方にある「ポケットペア同士でドミネイトする」の部分も読んでみてください。
ポストフロップで勝っているのか負けているのか分かりづらい
セットの時はエクイティがロバスト。セットではないときはエクイティが非ロバストです。
セットが完成しておらず、ワンペアの場合、ポケットペアの数字より高い数字がボードに落ちると、相手が強いワンペアを持っている可能性がある為、勝っているのか負けているのか分かりづらくなります。
例えば、JJを持っているときに、ボードにA,K,Qのいずれかが落ちると、相手の強いワンペアに負けている可能性が出てきます。
その為、 相手のブラフに降ろされることも多く、 ポケットペアをプレイするのはとても難しいです。
セットを完成させると、ものすごく強い
ポケットペアの数字と同じものがボードに落ちると、トリップスの役になり、ものすごく強いです。これをセットと言います。トリップスはワンペア、ツーペアより強い為、なかなか負けることが少ないです。
例えば、相手がAKを持っていて、ボードにAとKが落ちてツーペアを完成させてもセットには勝てません。セットはそれほど強烈です。
また、セットはボード2枚のカードとプレイヤー1枚のカードでのトリップスとは異なり、ボードを1枚しか使わないトリップスの為、相手にバレにくいです。相手がツーペアを完成させていた場合、相手のスタックを大量に奪うことができるでしょう。
さらにセットはストレートやフラッシュより強い、フルハウスやクアッズを作る場合があります。自分が77を持っていて、ボードに788が落ちればフルハウス。ボードに77が落ちればクアッズです。
ただし、セットを完成させてトリップスになっても、ストレートやフラッシュには負けるので、ボードに注意しましょう。また、相手もセットになった場合、数字が小さいと負けます。この場合も、大損害になりますので注意が必要です。
ポケットペア同士でドミネイトする
ヘッズアップでお互いにポケットペアの場合、強烈にドミネイトします。
高い数字 vs 低い数字 では勝率はおおよそ「80% vs 20%」です。
例)AA vs KK
対ドローハンドで有利にドミネイトする
ポケットペア vs ドローハンドで、ポケットペアの数字が、ドローハンドの数字と対等以上であれば、ポケットペアが有利です。
- ポケットペア vs ドローハンドでポケットペアの数字がドローハンドの2つの数字より大きいときは強烈にドミネイトし、勝率はおおよそ
「85% vs 15%」です。
例)88 vs 87s - ポケットペア vs ドローハンドの大きい数字が同じときは強烈にドミネイトし、勝率はおおよそ
「80% vs 20%」です。
例)88 vs 87s - ポケットペア vs ドローハンドでポケットペアの数字がドローハンドの2つの数字の間のときの勝率はおおよそ
「65% vs 35%」です。
例)88 vs 97s - ポケットペア vs ドローハンドの小さい数字が同じときの勝率はおおよそ
「60% vs 40%」です。
例)77 vs 87s
ストレートのブロッカーとして強力
同じ数字を2枚持っているので、同じ数字は残り2枚しかありません。その為、同じ数字を相手が持っている可能性は低いです。
このことにより、一定条件で、相手の強いストレートの可能性が少ないと考えることができます。
相手のストレートをブロック
例えば、自分が8h8dを持っているときに、ボードがTh 7s 6h 5d As と落ちたとします。98を持っていればナッツストレートです。
<自分>
<ボード>
98はコネクタですが、ハンドとしては強くなく、一般的にはスーテッドのみで参加します。つまり、9s8s 9h8h 9d8d 9c8cの4通りです。
自分が8hと8dを持っている為、相手が98sを持っているのは 9s8s 9c8cのたった2通りしかありません。
その為、相手がナッツストレートを完成させていないと読み、逆にこちらがストレートを主張してブラフをすることもできます。
<上ストレートのハンド>
<上ストレートであり得ないハンド>
自分より強い相手のストレートをブロック
似たような考えで、 自分が8h8dを持っているときに、ボードが7s 6h 5d 4c As と落ちたとします。8でもストレートですが、相手が98だった場合は負けてしまいます。
しかし、相手が98sを持っているのは、上の例と同じように 9s8s 9c8cのたった2通りしかありません。
その為、9だけのストレートでも相手に負けている可能性は非常に低いと考えてベットやレイズすることができます。
ハイポケットペア(JJ+)
オーバーペアは強い
最強クラスのワンペアです。オーバーペアはとても強く、例えばボードに「Q95」が落ちたとき、ドローハンドでできる一番強いハンドはQのワンペアです。
AAやKKのポケットペアはそれに勝っています。
ただし、AA以外は、この先のストリートで高い数字のカードがボードに落ちた場合、ワンペア同士で負ける可能性があるので注意が必要です。
上記の例では、フロップで 「Q95」 、ターンで「A」が落ちたとき、KKのポケットペアはAのワンペアに負けてしまいます。
セットを引いてもバリューが無いこともある
自分がAAを持っていて、ボードにAが落ちた場合、トリップスで最強の「AAA」のセットが完成します。
それはそれで嬉しいことなのですが、Aは4枚中3枚出てしまった為、残りの1枚を相手が持っている可能性がとても低いです。
Aを持っていない相手は、ボードに落ちたAを見て、自分がAのワンペアができていることを警戒して、フォールドしやすくなります。
もちろん、相手がツーペアや弱いトリップスを持っているときは、相手もチップを吐き出してくれるので、大きく勝つことができるでしょう。
ポーカーは自分が強い役を作っても、相手が弱いと稼ぎづらいです。相手も強いハンドを持っていたり、強いドローを持っているときにチップが大きく動きます。
過信は禁物
オーバーペアは非常に強いですが、相手のツーペア、トリップスに負けますし、ボードを見ても分かりづらいです。オーバーペアだからといってたくさんベットすると痛い目に会うことがあります。オーバーベットに注意しましょう。
また、ストレートやフラッシュにも当然負けます。1枚だけでストレートやフラッシュが完成するようなボードになったときは、AAを持っていてもあきらめなければいけない時もあります。
いつも通りのプレイがおすすめ
AAを持っているときに、プリフロップでリンプしたり、ポストフロップでオーバーベットするプレイヤーもいますが、相手にバレやすいですし、自分が普段通りのプレイをしているときにAAを持っていないこともバレてしまいます。
AAが来ると嬉しいですよね(*’▽’)すごい分かります!
でも、良いときも悪いときも平常心を保つのがポーカーです(‘◇’)ゞ
ミドルポケットペア(TT-88)
プレイが難しい
セットにならない限り、勝っているのか負けているのかが分かりづらいハンドの為、プレイが難しいです。
トップペアになることが少ない
ボードにAKQJのどれか1枚以上が落ちることはかなり多いです。その時点でトップペアは無くなり、相手より勝っている可能性は高いものの、確信は持てないという状況になります。
そのときにベットよりチェックコールが多くなりがちで、どこまでタフにコールするかが難しいところです。
ローボードでオーバーペアになることがある
例えばTTを持っているときに、フロップで952のようなボードになったときは、その時点で勝っている可能性が高いです。
ただし、それ以降のストリートで上の数字のカードが落ちる可能性もあるので注意が必要です。積極的にベットしましょう。
また、オーバーペアのローボードになったときに注意するのは、相手のストレートとツーペアです。
88でオーバーペアのときのローボードを考えてみましょう。
例えば、754などがありますが、自分がベットして、相手にコールされるドローハンドで注意すべきハンドがかなりあります。
<負けているハンド>
86s,75s,54s
<勝っているがドローを警戒するハンド>
87s,76s,65s,43s,A7s,A5s,A4s,98s,A3s,A2s
バリューなのかブラフなのか分からないベットをする必要もある
オリジナルレイザーになった場合、相手のレンジより強いので、ボードによっては強い数字がボードにあってもベットしたほうが有利になることもあります。
その見極めは難しいです。
ローポケットペア(77-22)
セットを作るハンド
フロップ3枚でセットができれば、ほぼ勝てますが、そうでなければショーダウンまで行くのは難しいです。
自分より強い数字が3枚ボードに落ちているようなボトムペアの状況でコールし続けるのはブラフキャッチの意味合いしかない為、トータルでは負け越してしまうでしょう。
したがって、フロップでセットにならなければ、さっさと降りるのがセオリーです。
このセットを作る戦略、セットマインがうまくいくかは、テーブルのアグレッシブさで変わってきます。セットになったときに、セットにならないときに減るスタックを上回るくらい回収できるのであれば、ローポケットペアで積極的に参加する価値はあります。
逆にセットになってもあまり稼げないようなテーブルでは参加することがマイナスになります。
相手のオーバーポケットペアを警戒
相手が上のポケットペアを持っている可能性があることを警戒しましょう。その場合はセットを作らない限り、ほぼ負けます。
例えば、22がすべてのドローハンドと対等に戦えるとしても、すべてのポケットペアに強烈に負けています。相手が強いポケットペアを持っている可能性が高いシチュエーション(プリフロップで3betされたとき等)では、弱いポケットペアはあまり使わない方がいいでしょう。
稼げる場面もある
数字が小さいローカードはディフェンス側であってもあまり多く持っていません。
その為、ローボードで1枚でストレートが完成する場合に、相手がそのカードを持っていないと考えてプレイすることもあります。
例えば、K7543などで66を持っている場合など。
たまたまその1枚のカードを持っていれば大きく稼ぐこともできるかもしれません。
トーナメントのショートスタックの時にオールインできる
すべてのドローハンドに互角以上の勝負ができること、ポケットペアよりドローハンドのコンボ数の方が多いことから、トーナメントでショートスタックになったときにオールインすることもできます。
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