コンティニュエーションベット(CB)

コンティニュエーションベット(CB)とは?
コンティニュエーションベット(Continuation Bet、CB、C-bet)とはプリフロップで最後にレイズしたプレイヤー(一番強いレンジを主張)が、フロップで続けてベットをすることです。
フロップでCBを打って、さらにターンやリバーにも続けてベットすることもCBです。
古来から伝わるオフェンスの打ち方で、現代にも通用するものです。
なぜCBをするの?
例えばフロップについて考えます。
フロップではボードに3枚のカードが配られますね。
相手の2枚のハンドがポケットペアではない場合、フロップでワンペア以上になる確率はどれくらいあるでしょうか?
相手がA9を持っていたとします。
Aか9がフロップで1枚でも落ちる確率
Aと9のアウツは3枚ずつ、計6枚。
1-{(44*43*42)/(50*49*48)}=0.324=32.4%
なんと、フロップでは32.4%、3回に1回しかペアができません!
相手がペアを持っていないときに、ベットされたら必ず降りる場合、収支はどうなるでしょう?
自分に役がないときに、ポット10点の半分の5点をベットした場合で考えてみましょう。
<計算式>
{(相手にペアができてコールされる確率)×(損する金額)}
+{(相手にペアがなくてフォールドする確率)×(得する金額)}
={(1/3)×(-5)}+{(2/3)×(10)}
=-5/3+20/3
=15/3=5点
なんと、CBを打つたびに、平均すると毎回ポットの半分をもらえることになります。
役が無いときに降りるような相手であれば、CBを打ちまくった方がいいですね。
ディフェンス側のCB対策
ディフェンス側にとって、ペアができていないときにもCBにコールしないと相手が得する(=ディフェンス側が損する)ことが分かりました。
では、ディフェンス側はどれくらいの頻度でコールすればいいのでしょうか?
大きく3つの判断要素があります。
- ベット額に対する最小ディフェンス頻度(オッズ)
- 自分と相手のレンジエクイティ
- 相手のCB頻度
CBコール要素1.ベット額に対する最小ディフェンス頻度(オッズ)
お互いに同じ強さのレンジの状態で、相手にベットされたときに、どのくらいの頻度でコールしないと相手にブラフを打たれた分だけ損をしてしまうかというオッズの計算方法があります。
<計算式>
(ポット額+ベットされた額):(コール額)
=(コール額)/( ポット額+ベットされた額 + コール額)
例)ポット10、ベット5、コール5のとき
(10+5):5=15:5=3:1
=1/(3+1)
=1/4=0.25=25%
上記計算式では、ポットの半分をベットされた場合の必要勝率は25%です。
4回コールして、そのうち1回勝てればOKです。
たくさんコールしても問題ないことが分かります。
この必要勝率は、相手のベット額で変わります。
相手のベット額が安いほど、必要勝率が下がるのでコールしやすくなります。
逆に、相手のベット額が高いほど、必要勝率が上がるのでフォールドが多くなります。
この辺は感覚でも分かりますよね。ベットが安いほどコールしやすい!
CBコール要素2. 自分と相手のレンジエクイティ
自分と相手のレンジの強さの比重(現時点のポット支配率)をレンジのエクイティと言います。エクイティがどれくらいなのかを人力で正確に求めるのは難しいですが、計算できるアプリもあります。
エクイティが高いということは、相手より勝っている可能性が高いということです。
つまり、エクイティが高いときは、CBに対してたくさんコールできますし、
逆にエクイティが低いときは、CBに対して多めにフォールドした方がいいです。
CBコール要素3.相手のCB頻度
相手がどれくらいの頻度でCBを打つのか事前に数えておきます。ポーカーのアプリによってはデータとして見ることもできます。データを見る場合は、ある程度のサンプル数が必要です。
数えるのが大変でしたら、相手がプリフロでオープンしてCBを打ったときにショーダウンまで行ったときのハンドを思い出します。ペアやドローが無いときに打つことが何度かあったら、その相手に対してはこちらも広くコールすることができます。
オフェンス側のCB頻度
ディフェンス側がある程度コールする場合、必ずCBを打つとオフェンス側が損をしてしまいます。
CBを打つのはどのくらいの頻度がよいのでしょうか?
実は頻度を考える要素はディフェンス側と似ています。
- ベット額に対する最小ディフェンス頻度(オッズ)
- 自分と相手のレンジエクイティ
- 相手のコール頻度
CB要素1.ベット額に対する最小ディフェンス頻度(オッズ)
まず、ボードテクスチャ(ボードの数字やスート)によって、適正なベット額というのがあります。(※混合戦略では複数のベット額を使いますが、今回の記事ではベット額はミックスしません)
一般的には、
ウェットなボードでは高く、ドライなボードでは低く、
オリジナル有利な数字が多ければ高く、オリジナル有利な数が少なければ低く、
両者に関係ない数字だけなら低く打つと良い
と言われています。
(ベット額の記事は今後書くかもしれません)
まず、ボードテクスチャを見て、打つベット額を決めます。
ポットの半分を打つと決めた場合、先ほどの計算式と同様に、オッズを求めます。ちょっとだけ表現が違いますが、同じ計算です。
<計算式>
(ポット額+ベット額):(相手のコール額)
=( バリュー頻度 ):(ブラフ頻度 )
例)ポット10、ベット5、コール5のとき
(10+5):5=15:5=3:1
上記計算式では、ポットの半分をベットする場合、バリュー頻度3に対して、ブラフ頻度1になります。
4回コールして、そのうち3回勝つ必要があるので、バリュー頻度が3なんです。
そして、負けてもいいのが1回なので、ブラフ頻度は1です。
オッズからベット額を逆に考えると、ほぼ勝っているようなボードテクスチャでは安いベット額でブラフ少なめで打つということになります。
CB要素2. 自分と相手のレンジエクイティ
これは完全にディフェンス側と同じ考えですね。
ボードがどちらにフィットしていて、どちらのレンジエクイティが高いかで判断します。
オフェンスのエクイティが高いときは、高頻度でCBを打てますし、
逆にオフェンスのエクイティが低いときは、CBの頻度は減ります。
CB要素3.相手のCBコール頻度
相手がどれくらいの頻度でCBをコールするのか事前に数えておきます。ポーカーのアプリによってはデータとして見ることもできます。
そして、相手がCBをコールしたときにショーダウンしたときのハンドを覚えておけば、相手は何もなくて、ドローもないのにコールするかどうかが分かります。
そのようなコール頻度が高い相手に対しては、ブラフを少なくして、バリュー多めでCBを打てばエクスプロイトできます。
逆にすぐ降りる相手に対しては、ブラフを多くしてもいいかもしれません。
まとめ
- フロップでヒットする確率は3回に1回なので降りる相手へのCBは有効
- CBを打つ、CBをコールする判断要素は3つ
1.オッズ
2. レンジエクイティ(ボードがどちらのレンジにフィットしているか)
3. 頻度の偏り
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