ポストフロップの戦い方1-1(フロップ)

ポストフロップの戦い方1-1(フロップ)

ポストフロップ(フロップ、ターン、リバー)のアクションについてバランスを取った戦略方法を考えてみましょう。

シチュエーション

  • HJ vs BB
  • SRP(シングルレイズドポット)
  • 有効スタック 97
  • ポット6.5
  • レーキなし
  • ポストフロップのベットサイズは67%固定

HJとBBのレンジ

HJオープンレンジ
HJオープンレンジ
BB vs HJ
BBコールレンジ (黄色部分)

プリフロップのレンジはプリフロップオープン編の記事プリフロコール3BET編の記事で紹介したPreflopAdvisorというアプリのレンジを簡略化したものです。

ただし、他のプレイヤーがこのレンジを使っているとは限らないので注意してください。

プリフロップの状況の補足

アクションとポット

HJ(ハイジャック)までは全員フォールド。
HJが3bbでオープンレイズ。
CO、BU、SBはフォールド。
BBは3bbにコール。
ポットはHJ 3bb+SB 0.5bb+BB 3bb=6.5bb

レンジの分類

誰かがオープンレイズして、誰かが3bet(リレイズ)せずにコールしている状況です。

このブログではSRP(シングルレイズドポット)と分類しています。

プリフロップのレイズ回数でレンジは変わってきますので、ざっくり分類すると学習しやすいです。

今回は「ミドルポジション対BBのSRP」という大まかなレンジです。

有効スタック

お互いのスタック(チップ量)の少ない方のスタックが、今後動く可能性のあるスタック(有効スタック)です。エフェクティブスタックとも言います。

有効スタックの量でスーテッドコネクタやスモールポケットの価値が変わります。(有効スタックが多いと価値が上がる場合が多い。フラッシュ、ストレート、セットを完成させたときにスタックを多く獲得できる可能性が上がる為。)

今回はお互いに100bbのスタックを持っていて、プリフロップで3bbずつ出したので、残りスタックはお互いに97bbです。なので有効スタックも97bbです。

ベットサイズ

今回(ポストフロップの戦い方1)ではベットサイズはすべてポットの67%(2/3)にしています。

ノーリミットホールデムのベットサイズは自由に決めることができます。ボードやハンドごとに適したベットサイズがありますし、混合戦略では同じハンドでも複数のベットサイズを使います。

今回は頻度の学習がメインであるので、ベットサイズは実際のプレイで使いやすい67%固定としました。

フロップ

ボード【Kc Js 8s】
HJ:195コンボ エクイティ60%
BB:218コンボ エクイティ40%

このボードについて

ボードにはKとJがあり、オリジナルレイザーに有利なボードです。
現状の強いハンドはセット、ツーペアですが、BBはセットが88しかありません。
トップペア以上の割合は、BBは15%(32/218)、HJは28%(54/195)です。
フラッシュドローがあるのでBBはなんとか巻き返していきたいところですね(;´・ω・)

OOP(BB)のアクション

セット、ツーペア、トップヒットがあるものの、レンジ全体で負けているため、100%の頻度でチェックします。

古来からあるポーカーの作法の「ドンクベットはやめましょう」に則ってチェックするのではありません。

「レンジ全体で負けていること」
「自分のレンジ内の強いハンドですら、相手のレンジ内の強いハンドに負けていること」

ざっくりこれらの2つの理由から、このシチュエーションでは100%チェックしているだけです。ドンクベットするシチュエーションもありえます

BBのアクション

IP(HJ)のアクション

今回は67%のベットサイズだけを使ってみます。
レンジ全体で勝っているので高頻度でCB(コンティニュエーションベット)を打ちます。
2/3くらいの頻度で打ってみましょう。
バリューベット:ブラフベットは約1:2にします。
※バリューとブラフははっきり分別できるものではありませんが、ここでは分かりやすくする為に、強そうなハンドをバリューとしています。

頻度の方針

バリュー ベット ブラフ ベット チェック
比率23%44%33%100%
コンボ数458664195

大体の比率なので多少ずれても問題ありません(*^-^*)

青色がベット(ポットの2/3サイズ)、緑色がチェックです。

本当は、各ハンドもチェックしたりベットしたりと、頻度を決めてアクションするのがベストなのですが、毎回アプリ等でランダムの数字を出してアクションするのも大変です。それよりも大事なのはレンジ全体で、なるべくベターな頻度でプレイすることです。

ここでは、このハンドはベット!このハンドはチェック!って感じでハンドごとにアクションを決めて、全体的なレンジの頻度を調整しましょう。リアルポーカーでもそんな感じでやる方が楽です。

ベットレンジ

HJ CBレンジ

ベットレンジ(青色部分)のみを抜き出したものです。
バリューベットとブラフベットが混ざっています。
内訳は、次の「バリューベット」と「ブラフベット」を参照してください。

バリューベット

No.コンボハンド
1セット9KK,JJ,88
22P9KJo,KJs
31P,OP6AA
41P,TP21AKs,KQs,AKo,KQo[sなし],KT[ss],K9[ss]
45

略語
1P:ワンペア、2P:ツーペア、OP:オーバーポケット、TP:トップペア

  • レンジ全体が強いのでツーペア以上の強いハンドはすべてバリューベット。
  • KQoでスペードが含まれるものは、バックドアフラッシュドローとトップペアグッドキッカーという強めのハンドなのですが、チェックレンジの強さを残すため、チェックに回しました。
  • KTsとK9sはキッカーが弱いのでフラッシュドロー以外[hh,dd]はチェックに回しました。

ブラフベット

No.コンボハンド
1FD,A high9A[QT9765432][ss]
2FD3QT[ss],Q9[ss],T9[ss]
3OESD6QTs[hdc],T9s[hdc]
4GSSD33AQs,AQo,ATs,ATo,Q9s[hdc]
51P,weakP1877,66,55
61P,weak1A8s[cc]
7BDFD7A[9765432][cc]
8 A high 4 A3s[hd],A2s[hd]
81

略語
FD:フラッシュドロー、OESD:オープンエンドストレートドロー、GSSD:ガットショットストレートドロー、BDFD:バックドアフラッシュドロー

  • ブラフはのちのストリートで強くなる可能性があるハンドや、ショーダウンバリューが無いハンドがおすすめです
  • 今回はフラドロ、ストドロのすべてをブラフベットに入れましたが、コンボ数によってはいくつかはチェックに回してもいいです
  • コンボ数の調整は弱いポケットや、ヒットしていないAxsやAQなどを使うことが多いです
  • 目標コンボ数の85に合わせるためにA5s[hd]やA4s[hd]を入れてもいいですが、目標コンボ数もざっくりなのでどっちでもいいです

チェック

No.コンボハンド
11P TP9KQo[sあり],KTs,K9s[hd]
21P MiddleP6QQ
31P Middle30AJs,AJo,QJs,QJo,JTs,J9s
41P WeakP12TT,99
51P Weak2A8s[dd,hh]
6 A high 10 A[97654][hh,dd]
69
  • チェックレンジにもターン以降で戦えるハンドを残しておきます
  • ミドルペアはチェックに回すことが多いです
  • セットにならなかったポケットはブラフベットとのコンボ数調整で使います。

注意点

  • これらのアクションは筆者が考えた一例なので参考程度にしてください。
  • 相手のレンジがこの例とは限らないので、プレーをみながら推測する必要があります。
  • 相手がバリュー過多だったりコール過多だったり等、バランスが取れていない相手に対してもこの戦略でもいけるのですが、疲れてしまうので相手にアジャストした戦法を取ってもいいかもしれません。
  • フロップでまったく同じボードやスタックにならない限りは推奨アクションが変わります。この記事では、バランス戦略ってこんなふうにレンジを分けて考えるんだねーってことがなんとなく分かればOKです(‘◇’)ゞ

まとめ

  • シチュエーションは戦略を立てる材料なので、きちんと把握する
  • レンジ全体で負けている場合はチェックする
  • フロップのCB頻度は2/3くらいが目安
  • フロップのCBのうち、バリューは1/3くらいが目安
  • フロップチェックにも強いハンドは残しておく

IPがベットしたときのOOP(BB)のアクションは次の記事で!